【奈良WL】宝扇と唐招提寺さんぽレポ

2021年5月19日、唐招提寺にて毎年恒例の「うちわまき」が行われました。例年多くの人が集まりうちわの争奪戦が行われていますが、今年は昨年に続き感染症対策のため関係者のみが参加する形で実施。

↓奈良テレビさんのニュース動画

うちわまきは毎年5月19日、唐招提寺中興の祖とされる鎌倉時代の大悲菩薩覚盛(だいひぼさつかくじょう)上人の命日に行われる「中興忌梵網会(ちゅうこうきぼんもうえ)」に合わせて実施される行事。

修行中の上人が蚊にさされているのを見た弟子が蚊を叩こうとしたところ「自分の血を与えるのも菩薩行である!」と戒められたという故事から、蚊を払うためのうちわが作られたのが由来とのこと。上人が亡くなられたときに法華寺の尼僧が用意したのが始まりで、その時からこのハート型をしていたそうです(唐招提寺さんのサイトより)。

毎年参加者の多さ(整理券争奪早起き合戦)に恐れ慄き一度も参加できていなかったところに、新型コロナウイルス感染拡大の関係で参加する望みさえ無くなってしまっていた一般市民私。しかし!うちわまきに参加できずともうちわはお寺の売店で購入ができると判明!

約3000本が用意されていると聞き「3000っていうとフェスティバルホールのキャパ(※2700人)くらいやん!すぐ埋まるって!!(?)」となり早急に参拝することに。

唐招提寺に関する専門的なお話は他のサイトさんにお任せするとして、ここでは初夏の境内の様子をレポします。

5月下旬、曇り。

相変わらず凛とした佇まい。それでいて世界遺産。かっこよすぎる。寡黙な強キャラ。

金堂(国宝)、講堂(国宝)、鼓楼(国宝)。ちなみに中に並ぶ仏像方も国宝国宝国宝国宝。国宝って一体なんだっけ??奈良ってそういうとこある。

この鼓楼からうちわが撒かれるんですね。この場所でうちわの争奪戦が行われます。鼓楼(国宝)と金堂(国宝)と講堂(国宝)に囲まれたこの空間自体がもう「国宝に囲まれた空間(国宝級)」って感じです。

宝蔵と経蔵。意味は分からずとも何故か頭に残っている「校倉造(あぜくらづくり)」です。奥にある経蔵は同じ校倉造で有名な正倉院よりも歴史は古く、日本最古の校倉とのこと。どちらも国宝。すごすぎて脳が処理できてない。

ところでこの辺りで低い人の声が聞こえてきたので「読経だ…良い場面に立ち会えた…」と思ったらめちゃくちゃでかい蜂の羽音でした。

さて、境内を歩きます。

唐招提寺をお寺として開いたのは、こちらも妙に頭に染み付いている「鑑真」。教科書によく載っている「鑑真和上坐像」(やっぱり国宝)もここにありますが、普段は公開されてない代わりに同じお姿をした「御身代わり像」があります。

それにしてもこの後ろの土塀。説明が見つからなかったので矢鱈なことは書けませんが歴史を感じる。

苔むしているのも切なさがあって良いですね。天空の城ラピュタ感があって興奮してます。

きのこ。

ザ・きのこ!というフォルムで最高です。かわいい。

さるのこしかけ。久しぶりに見た。

これは鑑真和上御廟(墓所)までの苔の絨毯。雨上がりなのもあってものすごく鮮やかな緑です。

そういうラグみたい。家に敷きたい。

そしてきのこ。私はきのこを見つけるのが非常に好きです。詳しくはないので多くは語らない。

こういうのも好きで非常にグッときます。この枝が数十年後に新しい森を作るのでしょうか。その頃にもきっとこのお寺は同じ姿でここにあるんだろうな。泣ける。周りに人がいなくてよかった。

門の外から見る和上御廟と戒壇(かいだん)。扉の向こうは異世界…な雰囲気がファンタジー的で魂が震える。特に戒壇の方はどこでもドアでインドに出てきた感があります。

普段「鑑真和上坐像」が安置されている御影堂は7年がかりの大修理事業中。2022年春には完成予定とのこと。

この奥にいらっしゃるであろう鑑真和上像に思いを馳せて手を合わせていたのですが、今調べたところ鑑真和上像は背後の新宝蔵に移っておられました。恥ずかしい。周りに人がいなくてよかった。

売店の隣に今どき珍しい喫煙スペース。ベンチと屋根まである優しさ。

売店で売っているお土産の紹介が貼られていたのですが、お守りをロングセラーと呼ぶ発想力。お寺にロングセラーの概念があるとは思わなかった。それも半世紀に亘るロングセラー。でもお土産人気No.1は線香。

鬼。

見所が多い。気がつくと数時間居座っていました。静かでホッとします。

梅雨の合間で朝まで大雨が降っていましたが、帰る頃には青空に。きっと私の参拝を歓迎してくれたんだろうな…などと何かに結びつけようとする。

さて、無事に宝扇の購入もできました。1000円。映えのことを何も理解できていないので、境内で写真を撮るという発想に至れなかったことを後悔。

念願のご対面!

書かれているのは千手眼観音菩薩と烏枢沙摩明王の御真意だそう。梵字勉強しようかな…

裏には紙が挟まっており、宝扇の由来(冒頭に書いた蚊の話)が書かれていました。

病魔退散や魔除けのご利益があるとのことで玄関へ。神仏習合。

病魔退散、悪霊退散。良かったら一緒にゴキブリ退散もお願いします。我が家では足が五本以上の方の襲来をお断りしております。

あと、噂のロングセラー商品ではないのですが鈴守りを購入しました。

金堂にいらっしゃる千手観音像の御持物を模した鈴だそう。キャラクターが印刷されたグッズよりもキャラクターと同じものを持ちたいタイプのオタク私、喜んで千手観音像とオソロします。

涼やかな音の鳴る鈴でした。

唐招提寺周辺には薬師寺のみならず面白い場所がたくさんあるのでまた次の機会に綴ろうかと思います。朝からあちこち歩き回りすぎてボロボロです。

唐招提寺はこれから蓮や菖蒲の花の季節。だんだん暑くなってきますが、静かで緑の多い境内にきっと癒されるはず。

来年にはうちわまきが従来通り実施されますように。

唐招提寺

住所/奈良県奈良市五条町13-46

拝観案内/唐招提寺公式サイト

奈良ワンダーランド【奈良WL】
あちこちを回って不思議な奈良を見つける企画。感染症対策!水分補給!しながらがんばります。

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